《MUMEI》
修練4
「そうそう、それでOK。炎属性なんだ、狩月。」
「炎属性?どういうことですか?」
燐光を纏わせている右手を指差しながら、
「発生した燐光の色で区別できるんだよ。赤の場合は炎系統のスキルを覚えるのに適してる、とかその程度のことなんだケドね。あ、もう収束させてなくていいよ。疲れるだろうし・・」
そう言われて魔力を収束させるのをやめる。右手の燐光は溶けるように散っていった。
「ってことは、氷属性とかは覚えにくいってことですか?」
「ん〜少し違うのかな?燐光の色は変えることが出来るし・・今の得意属性ってくらいに考えればいいよ。中には一つだけしか使えない人もいるらしいけど・・」
頷きながら話を聞く狩月。
「さて、難しい話はまた今度ってことにして、瞬動の使い方だね。右手に収束したのと同じように足に魔力を収束させてごらん。それだけでも結構動きは速くなるはずだよ。」
言われて魔力を足に収束させていく。両足に淡い燐光が纏わり付き始める。
「まだ慣れてないから大変だと思うけど・・とりあえず軽く走ってみなよ。」
「はい。」
頷き軽くダッシュしてみると・・今までの1.2倍くらいの速さで走ることができた。
(おぉ・・って早く走れるのはいいけど・・疲れも割り増しな感じだ・・)
バンプの前に戻る。
「どう?結構速く動けるでしょ。魔力を消費しながらだから少し疲れるだろうけど・・」
「そう・・ですね。でも、魔力の保有量が上がれば疲れにくくなるんですよね?」
呼吸を整えながら質問する。
「そうそう。後、やっぱり慣れがあるからそれによっても結構変わるよ。そのへんは普段の訓練かな。さて、瞬動の基礎が出来たので本格的に教えるね。まず足に魔力を集めて・・」
そう言いながらバンプは足に魔力を収束していく。足が薄い緑色の燐光を帯び始める。
「でもって、足と地面の間で爆発させるって言うのかな、地面に半分、足に半分それを反発させるって言うべきかな・・う〜んと・・とりあえず見といてね。」
説明に困ったバンプは、狩月にホークアイをかけ、瞬動を行う。
両足に纏わりついていた燐光が足と地面の間に集まり、弾ける様に飛び散った。

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