《MUMEI》

「──林檎君」

「ん」

「ありがとございます──」

「礼なんかいらね」

林檎君はスタスタ早足で歩きながら、時々夜空を見上げてます。

「なぁ、オマエ──」

「はい‥?」

「──何でもね」

「ぇ〜!?」

「うっせーんだよっ、自分で歩けよ眠くねーんなら‥」

「眠いです‥」

「歩くのめんどくせーだけだろ」

「───────」

「未桜‥?」

「ハッ!!」

「‥分かった、寝てな」

「ふぁぃ‥」

林檎君の背中は、ほんとに安心するんです。

林檎君におんぶしてもらってる時が、一番落ち着くような気がします──。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫