《MUMEI》

スクリーンには…地底に埋まる小さな黒い石を作業員が発見し取り出しているところや…
その小ささにも拘らず…手にするのにはかなりの力を必要とする位の重さがある…と、研究者たちが驚いている様子のシーンが映し出され…その都度ライアンズが詳しく説明を加えていた…。 


「ご覧のとおり… この小さな黒い隕石は…比重の重い白金をもはるかに凌ぐ重さが見てとれます… この様な隕石はもちろん…物質は…今まで 否 地球が誕生してからも…おそらく地球上のどこにも存在しえない…今…我々人類が初めて目にする物質だと思われます…」 

そしてライアンズはきりっと表情を引き締めながら…列席者一同を見渡して言った 


「…しかし…幸運だったのは……もしもこのような隕石が…都市部はおろか…何処か火山地帯あたりにでも落下していたら…どうなっていたでしょう……
地下で燃えるマグマの表面にまで達していたら…その周辺はどうなっていた事でしょうか…
それを考えると…我々は本当に幸運だったと…言えると思います…  」 


会議室の空気は一瞬南極に浮かぶ氷山の空気の様に冷たく固まったが… 
一人の咳と共に…またすぐに…騒つきだした 。

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