《MUMEI》

「ありがとございました、林檎君──」

「だから礼はいいっつの」

「ありがとございましたっ♪」

「だぁーッしつけーんだよテメーはっ。もう帰るからなっ、あばよっ」

「林檎く〜ん!」

「んぁ"〜ッ何なんだよテメーはっ」

「ヒツジさん抱っこして寝て下さいね〜♪」

「はぁッ!?」

何言ってんだテメー──そう言いかけたみたいですが、林檎君は何も言わずにズンズン歩いて行ってしまいました。

「ありがとございましたーっ♪」

もう聞こえないかもですが──私は林檎君の歩いて行った方向に向かって、そう叫んでいました。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫