《MUMEI》

といっても、

ひま──

ひまわりは、

昼間は殆ど寝ている。




だから、

あまり話す事はない。




──それでも。





元気そうだ、

とか──

滑車回しをしてた、

とか──

そんな他愛もない事でも、

俺が話すと──

那加は嬉しそうにする。





「ひなた」

「?」

「手、握って」





そう言って那加は、

布団に入れていた右手を、

そっと出してきた。





俺が握ってやると、

那加は、

ふわっ、

と笑った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫