《MUMEI》 「紅蓮君元気?」 アラタは紅蓮に向かって片手を蝶々のようにひらひらと舞わせた。 空き部屋の使用を病院関係者から許可をもらい、臨時集合場所にした。 「白縫、高柳樹と接触した。」 「報告しなくていいんだけど。 篝が起きたんでしょう? しぶといけど以外と弱いよね。あいつ。 今日は紅蓮と帰るなら安心だ。」 人によって、温度差のある言い方である。 「この下にいるぞ」 「うそぉ、篝が?」 アラタは窓枠から顔を出してみる。 「神に会ったそうだ。」 紅蓮の声が聞こえた、アラタの瞳孔が大きくなる。 口が開こうとしたようだが言葉が見つからない。 前へ |次へ |
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