《MUMEI》

「あたしが寝るまで、放さないで」

「分かってる」





那加は、

寂しがりでもある。





休みの日は大抵、

俺はこうやって那加に付き添ってやっている。





那加の両親は、

仕事が忙しくてあまり来られないから──

俺は付きっきりで、

那加の側にいてやっている。





「ねぇ?」





少しだけ首を擡げて、

那加は俺を見上げた。





「あたし、いつ退院出来るかな」





そろそろ、

この白い部屋にも飽きてきたのか──

那加は毎日のように、

俺にそう訊いてくる。





その度に俺は、





「ちゃんと食えるようになったらな」





そう答えるしかない。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫