《MUMEI》

『その日から俺は拓海を抱く事を止められなくなった、
あいつは惇の代わりにされてるって思い込んでいた、だけどなんの抵抗もしねーで黙って俺に大人しくされるがままだった……』




『…もう気持ちが押さえつかなくて、もう拓海に俺の本当の気持ち全部言ってしまおうとしたら……拓海は俺に言ったんだ




惇に告白してくれって、…−−−

いい加減振られて気持ちに区切りつけろって……


俺が何を言ったって惇は兄貴の想いに答える事はなかった…


だから、俺が兄貴を全部受けとめるから、惇に振られてきて欲しい…と』











『俺は惇に嘘っぱちの想いを吐いた、



惇は当然そんな想いになんか答えてこなかった……、




ずっと前から拓海に俺が惇に惚れてるって聞かされていたらしいし、俺も惚れてる振りしてアピってたから、いつか言われるって分かってたんだろう…



だからこの日の為に断る台詞用意してたんだろうな…、


子供らしくない大人じみた、ぐうの音もでない、尚且つ相手が傷つかない、上手い言い方してきやがった…、

それがさ、その時の目つき…、俺らなんかより大人で…、散々俺は悩んで!悩んで辛い想いしてんのに!!




完璧な自信に満ちた態度に俺は爆発したんだ、


…−−惇は何も悪くねーのに…、





両親が実の両親で、

何やったって器用でいつも光っていて!

……壊したくなった、惇がいなくなれば拓海だって嫌な想いをしなくて済む…


なんだかそう思ったら……





気がついたら俺は惇を突き飛ばして……


めちゃめちゃに犯して殺してやろうと………





泣いて嫌がる様が余計俺を熱くさせた



無理矢理犯した…




呆然とする惇に俺は傍にあったカッターで切りつけた……




とどめを刺そうとした時に……拓海に泣いて止められた…






いざとなった時は拓海にとって惇は大切な弟だった……




拓海は俺から惇を守って……



二人はあまりのショックにその日の記憶をなくした…









ただ拓海は惇に切りつけたのは自分だと何故か言いはって、…惇もそれを信じた




惇はそんな芸能界なんか興味なかったくせに勝手にオーディション受けて…上京して…、



惇の、いや…、拓海も俺の嘘の説明が真実だと想い込んで……


惇の説明おかしいと想った事なかった?

あいつは結局一年分位嫌な記憶をなくして、失くなったところに俺に都合のいい記憶を取り入れた…

惇を病気に、拓海もおかしくしたのは全部、俺なんだ』

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