《MUMEI》

「春日井先生‥? さっき担架で運ばれて来て、今休んでるわよ、そこのベッ‥」

「どうもっ!」

「ちょっと、駄目よ寝てるんだから‥!」


保健室の先生が止めるより先に、

あたしはカーテンの中に入った。

「先生っ、大丈夫!?」

「‥‥‥‥‥‥? 佐原‥?」

先生は、

ぼんやり薄目を開けてあたしの方を向いた。

「あれ、お前──今世界史じゃ‥」

「何で倒れたの‥? 病気!? それとも‥」

慌てふためくわたしの頭に、

そっと手を置いて‥

先生は、

安心しろ、

って感じに軟らかく笑った。

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