《MUMEI》

「佐原、戻らなくていいのか?」

「ぇ」

「授業──」

「‥ぁ‥」

そうだった。

世界史の授業の途中で、

あたしは飛び出してきたんだった。

「ヤバ‥っ」

でも、

何か‥

戻りたくない。

──先生の側にいたい。

「佐原‥?」

「いちゃ‥ダメかな」

「ぇ‥?」

先生は、

キョトンとしてあたしを見る。

「お前──」

「いさせて」

「ぃゃ、お前は戻‥」

「いいんじゃないですか? いさせてあげても」

「ぇ」

「どっちみち、もうあと少しで5限は終わりですし」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫