《MUMEI》

「‥‥‥‥‥‥‥」





白粥じゃ、

食べたがらない。





なら、

どうしたらいい‥?





「──ぁ」





そうだ。





「那加、ちょっと待ってろ」

「ぇ? ちょっと日向っ」





那加の声を遠くに聞きながら、

俺は栄養士さんの元へ向かっていた。





「すいませんっ、お願いしたい事があるんですが‥」

「お願いしたい事?」

「このお粥を‥雑炊にしてもらえませんか、出来たら──‥」

「何号室の患者さん?」

「307です」

「分かったわ。すぐ作り直すから」

「──ありがとうございますっ」

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