《MUMEI》

あれから、

15分後。





俺は、

土鍋を両手に──

また階段を上がっていた。





3階に着いて、

那加の部屋に向かう。





「那加っ、雑炊作ってもらって──」





俺の台詞は、

そこまでしか続かなかった。





那加が、

すぅすぅと気持ち良さげに眠り込んでいたから。





「寝ちゃったか──」





土鍋をサイドテーブルに乗せて、

そぅっと那加に近付いてみる。





‥完全に熟睡らしい。





さて、

この雑炊をどうするか‥。





「‥‥‥‥‥‥‥」





その時。





腹時計が盛大に鳴った。





‥俺のお腹から。

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