《MUMEI》
修練5
「と、まぁこんな感じ。言葉じゃ説明しにくいんだよ・・許して。」
3メートルほど離れた地点に移動したバンプが困ったように笑いながら戻ってくる。
「さぁ後は実践あるのみ、壁とかに激突してもすぐに治療できるし大丈夫だからがんがんやってみよう!」
あっはっはと笑いながら話す。「壁に激突」などやや怖い単語に引きつった笑いを見せる狩月。
「・・・とりあえずやってみます。」
バンプのやったように足に魔力を収束させ、爆発させる。
「うわぁあああああ・・・」
いきなりの加速に驚きの声を上げながら飛んで行く・・
ズシャァァ・・・ゴン!!!
豪快な音を立てながら床を滑り、壁にぶつかる狩月。慌てて側へと移動するバンプ。
「・・大丈夫?」
頭をブンブン振りながら起き上がった狩月。目立った怪我はしていないようだ。
「いたた・・止まらなかったんですけど・・」
しまった!と顔を背けるバンプ。
「えっと・・たいした怪我じゃなくてよかったね。最初の入りは良かったよ。」
あはは・・と力なく笑うバンプ、尻尾はシュンと垂れている。
「入り?」
「瞬動の最初のことだよ。で、止まるのが抜きって言うんだ。」
「へ〜。で・・どうやったら止まれるんですか?」
「えっと・・魔力で制動をかけるんだけど・・基本的にはカンかな。とりあえず何度も練習して、この辺かな〜とか思ったところで弱く逆向きの瞬動をすれば止められるはず・・」
しばらくの沈黙の後、納得したように頷き、
「要するに練習しろってことですね。よし!やるぞ〜〜〜」
気合一発、再度、瞬動を発動する。
「うわぁあああああああ・・・」
ズシャ〜〜〜ゴン!!
再び壁にぶつかる狩月。急いで隣へと移動するバンプ。
「・・なんでいきなりやる気満々なの?」
「・・・何か面白いからです。エデンなんかじゃなかったスキルだし・・初めていかにも魔法って感じで。」
いたた・・とぶつかった肩を抑えているが、笑顔な狩月。
「そっか。とはいえ筋が良いのかもね〜魔力の収束を思い通りにやるのって結構難しいはずなんだけどね。」
「そうなんですか・・ふむ、って事は瞬動もすぐに出来るようになるはず!!」
ヒュン!瞬動を発動させる。
「うわぁああああああああ・・・」
ズシャ〜〜〜ゴン!!
「何の!!もう一回!!」
ズシャ〜〜ゴン!!
「まだまだ〜〜〜!!」
ズシャ〜〜〜〜〜・・
「大丈夫〜?」
「大丈夫です!!結構痛いですけど・・」
ズシャ〜〜〜ゴン!!

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