《MUMEI》 「──ふぅ、お腹いっぱい」 那加は、 土鍋一杯の雑炊をペロリと平らげた。 ‥驚異だ。 いつもの那加は、 こんなには絶対に食べない。 「何かいい事でもあったのか?」 「ううん、別に‥」 満腹で眠たくなってきたのか、 那加はうとうとし始めた。 「日向──」 「ぇ」 「──手」 「ぁ‥」 繋げ、 って事か──。 小さな手を、 包むように握ってやる。 那加は目を閉じて、 少しだけ笑っているみたいに見えた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |