《MUMEI》

「林檎君?」

「!! だから何だよッ」

「ぁ、えっと‥、やっぱり‥何でもないです」

「は‥?」

言いかけといて何だよ‥。

「あれ‥?」

「どーかしたか」

「あの人‥」

「は‥?」

また変な事言い出したぞ‥コイツ‥。

「林檎君っ」

「ぁ‥?」

「来て下さいっ」

「!?」

何だよ今度は‥っ。

「オイっ、テメー散々振り回しといて何考えて‥ん‥だよ‥」

目の前に、女。

見覚えなんか、ない。

‥でも。

オレは、この女を知ってる‥。

何でだ‥?

何でオレは‥知ってんだよ‥。

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