《MUMEI》

「‥‥‥悪ぃ」

未桜が言ってた通り、オレは捨てられた訳じゃなかった。

トラブったか何かで、オレをあそこに預ける他なかったんだ。

「‥ありがと‥な」

「「‥ぇ」」

「──で‥アンタらこれからどーすんだ」

「───────」

「まだどっか行っちまうのか」

「あなたには、新しい家族がいるから」

「アンタらだってそうだろ」

「林檎‥?」

「暮らさねーか、一緒に」

「ぇ‥?」

母さんは、一瞬目を丸くしてから、

「ごめんなさい──」

首を横に振った。

「でも、また──会いに来てもいい‥?」

「ん、まぁいーけど‥」

「ありがとう」

母さん達は、また来年会いに来る──そう言ってくれた。

何か、ちょっと早いクリスマスプレゼントをもらったみてーな気分だ。

「良かったですね、林檎君♪」

「未桜‥?」

「私も嬉しいですよ♪」

「オマエも‥?」

「ハイ♪」

未桜は、マジで嬉しそうだ。

何でだろ‥。

「林檎君のお母さん達、優しい人達ですね──」

「ぇ‥?」

優しい>氛氈d。

「ん‥、そー‥だな」

また来年、今度は笑って会えるように──‥オレも頑張んねーとな。

「それじゃあ、林檎君──そろそろ帰りましょうか♪」

「だな」

暗くなってきたし──。

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