《MUMEI》
ウィリアム
ウィリアムは、毎日のように公園に来た。
いつも、あの気弱な犬を連れてきた。それから、ボールを投げた。

ウィリアムは、よく笑う。疲れたように、くすんだ笑みを浮かべる。きっと、胸が苦しいのだ。
ウィリアムには、その顔がよく似合った。

彼の髪は、綺麗な黒。瞳も、黒。
肌は白。顔は、女の子みたいに綺麗。
歳は、十五くらいだろうか。

あたしの、ウィリアム。



見つけたのは、夏。



私の綺麗なウィリアムだ。

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