《MUMEI》

「ゎ‥悪かった、謝‥」

「もういいもんっ、日向なんか──」





言いかけて、

那加の声が止まった。





ベッドの上に上体を起こしたまま、

くの字に折り曲げて‥

黙りこくっている。





それが、

ただ不機嫌な訳じゃないと‥

すぐに分かった。





「‥痛い‥」





案の定、

那加はお腹を押さえて顔をしかめている。





‥俺のせいだ。





那加は、

ストレスがかかると腹痛に襲われる。





かなり痛いらしい。





そうなると、

数分は痛みが引かない。





俺はただ寄り添って、

那加の事を抱き締めてやるしかない。

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