《MUMEI》

「あぁ、これはね『紅茶のトリュフ』だよ♪この紅茶の葉、とってもいい香りだから勿体無いなぁって思って。だから冷蔵庫にあったチョコ勝手に使わしてもらったんだよ」

「これマミが作ったのっ?すごいねぇ〜!!」

「時間なかったからこんなモノしかできなかったけどね〜」

珠美は照れたように笑う。

「ん、甘〜い!!すんごくおいしいよぅ〜」

千晴子は、はう〜とトリュフを口に含んで、幸せそうに笑った。

「ってマミ、何でそんなにのん気なんだよ?」


千晴子に褒められて嬉しそうにしている珠美に、明良は呆れて声をかけた。

「なんかみんなにお礼したくって!!こんな事しかできないけどね」

えへへ、と笑う珠美を見て、良次は何かを思いついてニヤリとした。

「こんなにえー子なあやっぺを騙した久我を、後悔させてやらへん!?」

「例えば?どうすんだよ?」

「うーん・・・そうやなぁ」
明良に尋ねられて良次は腕を組む。

「そうだっ!!マミを大変身させちゃおうよ!!」

都槻は意気込んで立ち上がった。

「はぁ?なんだそれ」

明良は呆れた顔で都槻を見る。

「あたし的にはアリだと思うんだけど、傍から見たらおとなしそうに見えるんじゃないかなぁっ?その三つ編みは!!」

都槻は珠美の肩に垂れる縄状に編まれた髪を指す。

「そうだねぇ〜マミちゃんはどうして三つ編みにしてるの?」

千晴子はカップを持ちながら、首を傾げる。

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