《MUMEI》 夜明け前の散歩昨日の夜は、 比較的グッスリ眠れたらしくて── 那加は、 俺より先に目を覚ましていたみたいだった。 驚いたのは、 俺が起きた時、 那加の姿がなかった事だ。 「那加‥?」 那加が、 こんな朝早くに独りで病室を出るなんて、 ありえない。 「那加っ」 俺は、 廊下に飛び出した。 まだ朝5時だ。 人影はない。 「那加‥」 どこに行ったんだろう‥。 そう思いながら、 昨日‥ 俺が那加を傷付けた事を思い出した。 まさか──‥。 前へ |次へ |
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