《MUMEI》

女がやって来たのは、夏の終わり。
男と同じように、女も突然来た。


明らかに脱色した髪。
濃すぎる化粧。
はしたなく笑う口元。


全てに虫酸が走った。


女は、いやらしくウィリアムに近づいた。二人は、知り合いのようだった。
女は、しきりに、話し掛けている。チラチラと、ウィリアムの腕に触れた。
ウィリアムは、困ったように笑って、女を避けていた。女は、三十代後半に見える。
ウィリアムに、あんないやらしい触り方を。



汚らわしい。



汚らしい。

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