《MUMEI》

「嫌とかじゃなくて‥」

誰かに見られたらヤバいっしょ‥。

「見られたらどうすんの‥?」

「大丈夫だって」

これ、

先生の口癖みたい。

ん‥?

今は学校じゃないから──

シロでいいんだっけ‥。

「もうちょっと先行くとすぐ着くからな」

「うん」

シロの手──

あったかいなぁ‥。

「そうだ──佐原‥じゃなかった‥チョコ、あのさ──」

「ん?」

「決まったか? 行きたい所」

「ぁ‥、えっと‥」

まだ決めてなかった‥。

「先生はないの?」

「俺か‥?」

「俺は──‥」

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