《MUMEI》

風を吹かせろ‥

そんな命令をされるなんて思いもしなかった。





「ねぇ、何でも聞いてくれるんじゃないの?」

「‥ぅ‥」





確かに俺は、

言った。





何でも聞いてやるから、

って‥。





けど、

風なんか──‥。





「ひなた?」

「‥‥‥‥‥‥‥」





どうすればいい‥?





‥分からない。





「〜〜〜〜〜〜‥」





‥困った。





こうなったら‥

神頼みしか術はない‥。





「‥!?」





──突風。





尋常じゃない風が、

吹き抜けた。

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