《MUMEI》
聞こえぬ声
『皆〜聞いてくれ!青鬼は〜悪い鬼じゃねぇんだぞ!

優しい鬼じゃったぞ!皆〜誤解してるんじゃー!』

耕作は、大声で叫んだ。


『やっぱり、鬼に憑かれておる…早く殺さねば…恐ろしい事になる。』

村長は震えながら言った。


耕作は、木に縛り付けられて身動き出来ない。


耕作の足下に藁束が置かれた。

『火炙りにして〜鬼憑きの霊を浄化するのじゃ!』


『何?オイラ〜火で焼かれるのか?オイラ…あの世に行きたかったけど…火で焼かれるのは嫌じゃー。

誰か〜助けてくれ?オジサン、オバサン…なあ?頼むから…』


『ヒィ!鬼憑きのクセに…気安くオバサンなんて呼ぶんじゃないよ!恐ろしい子だね!』


『オバサン…』

耕作は項垂れた。

駄目だ…誰もオイラの話なんか聞いちゃくれねぇ…青鬼?オイラ〜隠れ山には戻れないぞ…ごめんな…。

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