《MUMEI》
現れた青鬼
耕作の足下の藁に火が付けられてようとした。


その時〜一陣の突風が吹いた…

乾いた強風は〜土埃を舞い上げ皆の視界を奪った。


『うわっ…目を開けて居られぬ…何だ?この風は?』


やがて〜風は止み皆の視界が開けた時…


『ヒイィ…』
皆の顔が恐怖に歪んだ。


耕作の縛られていた木には耕作の姿は無く、変わりに…


青い髪を逆立て、美しき顔に冷笑を浮かべる青鬼が立っていたのだ。


キロリ…
青鬼は周りを見渡した。

『村長!とやら…懐かしいのう…あの日以来か?』


『ヒイィ…覚えて居るのか?ワシの事を…』


『忘れぬ…お主〜また同じ間違いを犯しておるな?罪無き者を殺めるのか?』


村長は思わず後退りした。


『あの日も〜お主が皆を先導して罪の無い安曇(あづみ)を殺めた。

ワシの愛する…者を!』

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