《MUMEI》

「祖母ちゃん、チョコに勉強教えてやりたいんだけど──」

「ぁぁ、ここでやって構わないよ」

詠子さんはニッコリして、

先生に言った。

「ねぇシロ」

「?」

「勉強やろう?」

「ぁ、ぁぁ──そうだったな」

先生は、

あたしの隣りに来て、

座った。

かなり、

近い。

「よし、テスト範囲はこっからここまでだから──‥まずは漢字だな」

「‥ぅ」

漢字かぁ‥。

めんどいんだよな──‥。

でも、

せっかく先生が教えてくれるんだし。

頑張ってみようか──。

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