《MUMEI》

画面から、ウサギと雪川さんは消えていた。

代わりに時間が表示されていて、一秒、一秒、確実に時を刻んでいた。


「楓、大丈夫?顔が青いよ?」

「…。」


楓は無言だった。

ただ、ぶつぶつと口を動かしていた。


「雪川さんて、ただのクラスメートなのにさ、ウサギったら馬鹿だよね。」


私は笑いながら言った。
その瞬間、鋭い視線を感じた。

楓の方に顔を向けると、楓はすごい形相で私を睨んでいた。

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