《MUMEI》

「それ食べたら続きな」

「はーい」

そう答えながら、

わざとゆっくり食べる。

「お前──何か今日はずいぶんゆっくり食べるんだなぁ‥」

「‥‥‥‥‥‥‥」

何か、

見破られてるかも‥。

「ぁぁ、そうだ──千代子ちゃん」

「ぇ、何ですか‥?」

「アルバム、見てみるかい?」

「アル‥バム‥?」

「そうだよ、詩郎の──」

「ぅあ、ちょっと待ってくれ祖母ちゃん」

「?」

「だから‥その‥」

「──いいでしょ? ちょっとだけだから」

「──‥分かった」

先生は、

渋々折れた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫