《MUMEI》

先生が‥

あたしの高校の卒業生かぁ‥。

「お前もさ──」

「?」

「お前ももしかしたら、先生になったりしてな」

「ぇ‥?」

「何てったって、俺の自慢の生徒だからな」

「ぇ‥」

先生‥

その笑顔──

反則です‥。

「よし、そういう事で、続きな」

「‥‥‥ハイ‥」

なるほど‥

そういう作戦が‥。

やっぱり‥

9歳年上なだけの事はある‥。

「っと──‥どこまでやったっけか」

「漢字の読み」

「ぉ、そうだったそうだった」

「あのさ先生、忘れっぽいよね、何か──」

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