《MUMEI》 開けた口に、 スプーンが滑り込む。 「どぉ?」 「‥ん、美味い」 ていうか、 那加‥ 気付いて── ないな‥。 同じスプーンでプリンを食べるって事は、 つまり‥。 「ひなた?」 「ぇ」 「どうかしたの?」 「ぃゃ、どうも‥」 何だろう‥ やけに体が熱い気がする‥。 「日向、大丈夫なの?」 「大丈夫‥だと思う」 「あいまいなんだから‥」 那加はまた、 プリンを掬って食べた。 「ぁ‥」 「?」 「ありがと、ね」 前へ |次へ |
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