《MUMEI》
先生の青春時代
「く、ぁー‥」

2時間ぶっ続けで漢字練習‥。

流石に疲れた‥。

「──お茶、飲むかい?」

「ぁ、ども‥。──ふぅ」

このお茶──

美味しいなぁ。

「それにしても、あんなに勉強嫌いだった詩郎が教える側になるなんてねぇ──」

しみじみした表情をして、

詠子さんは先生を見る。

「不思議なものだねぇ」

「そんなに先生って‥勉強嫌いだったんですか?」

「ぁぁ、そりゃあもう」

「じゃあ──サボったりとかも‥?」

「そうだねぇ、たまに家に来て本棚の所にいたっけ──」

「本棚のとこ‥?」

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