《MUMEI》

「ぇ、ぁぁ‥悪い悪い──」

やっと正気に戻ったみたい‥。

「っとだな、だから──」

先生が言いかけた時、

思わず笑ってた。

そしたら先生はキョトンとして──

「ぇ、どうした?」

不思議そうにあたしを見た。

「あれ、何か俺──今おかしい事言ったか?」

「ぁ‥ごめん」

俯いたら、

先生はニッコリした。

「お前が笑った顔見たの、久し振りだなぁ」

嬉しそうに、

そう言って──

先生は湯飲みを持ち上げた。

勿論、

コップの水を中に入れて、

お茶を冷ましてから。

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