《MUMEI》

「那加、俺‥」

「何で日向がヘコむの?」

「───────」

「日向はあたしの事暖めてくれるじゃない」

「ぇ‥?」

「そう──でしょ?」

「暖める‥?」





俺が──

那加を‥?





「暖める‥」





俺が少しでも‥

那加の心に張り付いた冷たい氷を、

溶かしてやれるなら‥。





那加の心に、

日向を作ってやれるなら‥。





俺は、

何だってする。





何だって──。





「日向──何笑ってるの?」

「──何でも」

「ぇー? 何よ教えなさいよ」

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