《MUMEI》 「いつか、話す時がきたらな」 「何それ、意味分かんない」 プイッ、 とそっぽをむいた那加。 そんな何気ない仕草でも、 俺はドキッとさせられる。 「何? 何見てるのよ」 「ぇ‥」 何、 って‥。 「何か変。日向──最近ずっとそんな感じじゃない」 「‥ぃゃ‥その──」 「あたしのお世話が嫌なら、そう言えばいいじゃない」 「那加‥? お前何言って──」 「嫌なら嫌‥って‥ハッキリ言ってよ」 那加は、 俯いて俺に言った。 少しだけ、 声が震えていた。 前へ |次へ |
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