《MUMEI》

「ぇぇっ?」

「過去は過去、今は今」

「過去は過去‥か」

「どうした?」

「凄いね、先生──」

「ぇ、何が‥だ?」

「あたしなら無理だもん」

「無理?」

「うん、あたしがもし──先生の立場だったら‥ずっと後悔したままだと思う」

「ずっと‥?」

「うん。だから先生凄いよ」

「───────」

「先生?」

また照れてる‥?

「なぁ」

「何?」

「お前に似てたんだ」

「ぇ?」

「お前に似てた。あの人は──」

「あたし‥に‥?」

「ぁぁ」

あたしを見つめて、

先生は懐かしそうに目を細めた。

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