《MUMEI》
祐へのプレゼント
「祐也君、訊いていいかな?」

「何だよ?」

「この、プレゼント、選んだ理由は?」


俺は、微妙な笑顔の祐に向かって答えた。


「お前、意外とうっかりだし。卒業して、一人暮らしするなら必要だと思ったから。

忍にも相談にのってもらって決めた」


俺は、祐のプレゼントだけは、忍に相談した。


「それ、一番高かったんだぞ」

「確かに、素晴らしい品揃えだね。…お、新しいのもある」

「あ、ホント。凄い」

「これは高いよ、本当に」

「素晴らしいです」


俺があげたプレゼントの中身をほめてくれたのは


大さん・楓さん・徹さん・ケイトさんの


医療関係者の、四人。


「だからって…!

普通、救急箱プレゼントって…!

…」

「お前の安全を願ってなんだけど」

「…っ、…何だ、それ、可愛いな!」

「は?」

「…いいよ、もう。ありがとう」

「あぁ」


最終的に、祐は俺のプレゼントを受け取ってくれた。


「ところで、…何で希は、あれなの?」

「お、俺も気になった! 祐也、もしかして、希が…この中で、一番、好き?」

「…はぁ?」


志貴と柊の言葉の意味が俺には理解できなかった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫