《MUMEI》 祐へのプレゼント「祐也君、訊いていいかな?」 「何だよ?」 「この、プレゼント、選んだ理由は?」 俺は、微妙な笑顔の祐に向かって答えた。 「お前、意外とうっかりだし。卒業して、一人暮らしするなら必要だと思ったから。 忍にも相談にのってもらって決めた」 俺は、祐のプレゼントだけは、忍に相談した。 「それ、一番高かったんだぞ」 「確かに、素晴らしい品揃えだね。…お、新しいのもある」 「あ、ホント。凄い」 「これは高いよ、本当に」 「素晴らしいです」 俺があげたプレゼントの中身をほめてくれたのは 大さん・楓さん・徹さん・ケイトさんの 医療関係者の、四人。 「だからって…! 普通、救急箱プレゼントって…! …」 「お前の安全を願ってなんだけど」 「…っ、…何だ、それ、可愛いな!」 「は?」 「…いいよ、もう。ありがとう」 「あぁ」 最終的に、祐は俺のプレゼントを受け取ってくれた。 「ところで、…何で希は、あれなの?」 「お、俺も気になった! 祐也、もしかして、希が…この中で、一番、好き?」 「…はぁ?」 志貴と柊の言葉の意味が俺には理解できなかった。 前へ |次へ |
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