《MUMEI》
希先輩へのプレゼント
俺は、希先輩とはあまり接点が無い。


だから、俺は希先輩のプレゼントは、自分では決められず…


「雑貨屋の店員のオススメ?」


志貴の言葉に、俺は頷いた。


「ちなみに、祐也、何て言ったの?」


(え〜と)


柊の言葉に、俺は、数日前のやりとりを思い出していた。


『随分悩んでるみたいですけど、誰かへのプレゼントですか?』

『あ、はい』

『どんな方ですか?』

『一つ上の先輩で、可愛い感じの女の人です』

『ひょっとして…好きな人?』

『嫌いじゃないです』

『好きなのね?』

『はぁ、…まあ』





そして、俺は希先輩に、誕生石の付いたハート型のネックレスをプレゼントした。


『頑張ってね!』


そう、店員に言われて…


俺の話を聞いた後、何故か全員が


大きく、ため息をついた。


そして、俺は志貴から


俺が希先輩に贈ったネックレスが


雑誌で『彼女に贈るならコレ!』と載っていた品だと教えられた。


「何か…すみません」

「いいわよ、これ、可愛いし。ね? 柊」

「あ、うん。祐也なら許す!」


何とかその場は無事におさまった。

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