《MUMEI》

今日の客は…


可愛いお嬢さん…


何不自由なく幸せに育った様な顔をした彼女


『妾に何を望むか?』


《親友だったあの娘を一息で殺せる毒を下さい》


花が綻ぶような笑顔を見せながら妾に願う。


いつもながら〜嫌な気持ちになる…


人間と言う生き物は…


…醜い…


体内に毒を持つ妾よりも…


…醜い心…


《ありがとう…おいくらかしら?》


『いえ…もう戴いております』


《え?》


『どうぞ〜お帰りください、お気をつけて』


お嬢さんは首を捻りながら店を出る。


『お代には〜あなたの無垢な心を戴いております。

あなたには〜もう必要のない物ですからね』

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