《MUMEI》

「ぇ?」

「だーかーら、手伝ってあげるって言ってるの」





那加は、

身を乗り出して、

言う。





「でもちょっとだけ≠セからね」





そう付け加えてから、

那加はベッドに腰掛けて窓の方を見る。





「ね、窓開けて」

「ぇ?」

「いいから」

「分かった‥」





片手にゼリー飲料を持ったまま、

開いている方の手で窓を開けた。





──途端に。





ひらり、

と舞い込んできた何か。





「桜‥?」





桜の花びら。

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