《MUMEI》

だが、そんな心配事は直ぐに加奈子の心から払拭された。



『務所を出たばかりなら食ってくだけでも大変なことだ…。


直美の妹分なら放っとけねぇしな…。


俺らに気を遣う必要は無ぇから、遠慮なく居候してくれ…。』



猪俣は無骨ながらも温かい言葉で加奈子を気遣うのだった。



『…加奈…。何も心配しなくていいわよ…。


とりあえず、仕事がみつかるまで、ここに居るといいわ…。』



直美も“妹”を包みこむような優しさで気遣う。



加奈子は深々と二人に頭を下げた。



二人は、礼などいいと言って、静かに笑っていた…。

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