《MUMEI》 「──ふぅ」 やっと‥ 束の間の休息‥ 「ひなたぁ、この袋開かない」 でもなかった。 那加に突き出された、 棒付きアイスの小袋。 それを開けてやると、 次は‥ 「日向、虫っ‥虫入って来たっ、早く追い出して‥!」 ハエを窓から追い出して‥ 「ひなた──‥」 寄り掛かってきた那加に肩枕。 休む暇、 なし‥。 でも、 それが俺の役目だから。 俺は、 那加の召使。 だから── これでいい。 前へ |次へ |
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