《MUMEI》
青い焔
『迂闊だな?青鬼?いつも大事な者を守れぬのだ?お前は…ヒャハハハッ…』

耳障りな邪鬼の高笑いが響く…


青鬼は、カラスと耕作の傍へ駆け寄り二人を抱き上げた。


『済まぬ…耕作、カラス…ワシが至らぬばかりに…

少し待っててくれ』


そう言って、木陰に二人を運んだ。


『ヒャハハハッ…早く手当てした方がイイゾ!青鬼?死んじまうぞ〜ヒャハハッ…』


ヒョオオオ…
辺りに冷気を帯びた風が吹いた。


『ん?何だ?』
邪鬼は首を傾げた。


青鬼の身体を青い焔が包んだ。


『邪鬼よ…もう赦さぬ…ワシの前から永久に消え去るが良い…』


『へっ…何を、お前は優し過ぎて…殺生など出来ぬくせに…』


青鬼は〜両方の掌の中から青い焔を造り出し…邪鬼へと放った。


邪鬼は避けようとしたが間に合わなかった。
『ウギャァァ…』

ピシピシ…
邪鬼の身体は青い焔に包まれ…青い氷の塊となった。


青鬼は足元に落ちていた黒い矢を一本取り邪鬼へと放った。


パキン…バラバラ…
邪鬼の…塊は粉々に砕けて散った。

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