《MUMEI》

幸い、

バナナミルクは自販機にあったから売店まで行かずに済んだ。





けど、

今日はサイフの中身が極端に減っていく気がする‥。





「ひーなーたー君♪」

「ぁ──佳代子さん」

「那加ちゃんのお使い?」

「ぁ‥はい、まぁ」

「丁度お昼持って行こうと思ってたの。お薬と一緒に──」

「ぁ‥」





そうか‥

もう昼時なんだ。





すっかり時間なんか忘れてたな‥。





「何か疲れてるみたいね──大丈夫?」

「‥はい、何とか」

「那加ちゃん、機嫌悪い?」

「はい‥」

そりゃあもう‥。

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