《MUMEI》 「ほんとに‥? ほんとに大丈──」 頭に、 手。 先生がこうする時は、 決まって、 あたしを安心させる時。 「結構楽しいもんだなぁ、これも」 「───────」 「それに何か──子どもに還った気分だ」 「子どもに‥還った?」 「ぁぁ、何かそんな気分だ」 「先生は遊園地とか小さい頃よく来てたの?」 「よくでもないけど──たまにはな」 「どんなのが好きだった?」 「鏡の館──って分かるか?」 「鏡の館?」 「通路の壁が全然鏡になっててな、まぁ──迷路みたいなもんかな」 前へ |次へ |
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