《MUMEI》

「‥ぇ、何これ」

ティーカップを降りてから、

先生が、

『ちょっと待っててな』

そう言っていなくなって──

戻って来た時、

意外な物を持ってたからビックリした。

「棒付き風船なんか何に使うの?」

「ん? 叩くんだよ、これで」

「叩く‥?」

「叩いて、鏡かそうじゃないか確かめるって訳だ」

「確かめる‥」

「そうしないと、鏡にぶつかる羽目になるしな」

「ぶつかるんだ‥」

やだな‥

それは‥。

「よし、行きますか」

「ぇ、マジで‥?」

行くんだ‥

鏡の館──‥。

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