《MUMEI》

「1個位なら飲んであげてもいいよ」

「ぇ、けどいらないんじゃ──」

「日向がお腹壊しちゃってもつまんないから」

「───────」





何だか、

那加が天使に見えてきた‥。





「見ないでよそんなに」

「スイマセン‥」





無意識なんだよな──‥。





「日向君」

「?」

「ありがとね」

「ぇ、俺何かしました?」





訊いたけど、

佳代子さんはただ嬉しそうに笑うだけ。





「日向、何よぼんやりして──」





ポカンとする俺に気付いて、

那加が不思議そうな顔をした。

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