貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》いっしょにくらそう。
予備校に通い始めた。
彼女…、
アキとは毎日連絡を取って居る。
メールだけじゃなく、電話もするし、3日に一度は直接会って遊ぶ様になった。
「最近笑顔が多いわね」
母が云った。
「許可を取らないと笑わせてもくれないの?」
アキ譲りの半笑いで、わたしは母に向かい苦々しく云ってやった。
母は慌てた様子で父に電話をかけ始めた。
「あはははははは!超腹痛ぇ…。あんた、強くなったわ」
アキと会うのは、例の喫茶店が多い。
この日もそうだった。
「良く云った!!」
アキはまだ笑い続けてる。
「でも、家に居づらくなっちゃうよ。お父さんに殴られるかも知れないし…」
アキの顔つきが変わる。
「女に手を出す男は、例え父親でも許せないな…」
今までにないくらい真剣な表情をしている。
「ま、あたしが出て行ってもしゃーないのは目に見えてるから、何もするつもりはないけどね」
「そだね…」
「問題はあんただよ。居づらいんなら出てけばいい」
黙り込んだわたしに、アキは優しく語りかけて来た。
「…ウチに来る?」
わたしは逃げ場を見つけた。
そんな気持ちになって、力強くうなづいて居た。
前へ
|次へ
作品目次へ
無銘の作品を探す
無銘文庫TOPへ