《MUMEI》

「グ‥‥‥グルッと?」

「まぁ、1回分かれば簡単みたいだしな」

「へぇ‥」

「よし、行くか」

「今度は置いてかないでよ‥?」

「おう、勿論」

そう言って先生は、

あたしの手を握ってきた。

「これではぐれる心配はなし、っと。なっ」

「ぅ、うん‥」

確かに、

はぐれる心配はない‥

けど──‥

‥ハズい。

あたしだけみたいだけど‥。

まぁ、

誰もいないし気にしなくてもいいんだろうけど‥

こういうのって‥

テスト勉強の日以来だし‥。

「ぅゎッ‥」

危な‥。

段差につまずくとこだった‥。

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