《MUMEI》

「忘れるもんだなぁ、意外と──」

「先生があたし位の時ってさ、やっぱり──」

「ん?」

「ううん、やっぱり何でもない」

「ぁ──ほら、出口見えて来たぞ」

「ほんとだっ」

やっと出口‥。

「眩し‥」

中は結構薄暗かったから‥

太陽の光が、

妙に眩しく感じる。

「何か食べるか?」

「ぇ」

「腹空かないか?」

「うーん‥」

空いたような──

空いてないような‥。

「先生は何か食べたいのある?」

「俺は‥そうだなぁ、何か甘い物──」

「じゃあ何か買いに行こっ」

「ぉ、おい、ちょっ‥」

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