《MUMEI》

「───────」




那加は、

ポッカリと口を開けたまま固まっている。





「那加? おーい」





──反応なし。





「那加‥?」





どうしたっていうんだ‥?





「──!?」





何が起きた‥?





「日向のばか‥」

「ぇ」





那加の顔が‥

赤い。





でも、

怒ってる訳じゃなくて‥

照れてるみたいだ。





「何考えてるのよ‥、あたしは別に日向の事なんか、す‥」

「す‥?」

「‥日向の事なんか──」





那加の言葉は、

それ以上続かなかった。

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